カイコのことを知ろう

まゆ玉作り

養蚕の衰退にともないまゆ玉飾りの意味は薄れてしまいましたが、高原社では今でも「蚕繭豊作」のためにまゆ玉飾りの行事を続けています。

ふつう養蚕農家では、蚕室、上蔟室、神棚、土間、大黒柱などに飾り付けますが、社内でもならわしにのっとり蚕玉さまの神棚、蚕室、催青室などいたるところに飾っています。

そして まゆ玉飾りのある場所には、「萬物作(よろずものづくり)」「蚕繭豊作」「社員安全」「社運隆盛」などと墨書きした紙を貼って祈願します。

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1. まゆ玉団子を作る
まゆ玉団子の色は白が基本のようですが、ここでは赤や緑も作っています。今回は撮影ということでちょっとふざけて黄色い団子も作ってみました。
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2. これはふざけているわけではありません
えびす様や大黒様の神棚にはこんな特大のまゆ玉団子を供える風習があるのだそうです。でも社内にはこの由来を知る者もいなければ、えびす様や大黒様すら存在しません。このように伝統とはしばしば一人歩きをするものです。
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3. 枝にまゆ玉団子を付ける
左から小判、稲花、まゆの形を模しています。
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4. 萬物作
今までは社長が書いていた「萬物作」ですが、今年から若手に引き継がれました。仕事の伝統だけでなく、こうしたならわしも代々続いて欲しいものです。
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5. 会心のできばえ!
これはなかなかの達筆ですね。このあと火祭りで燃やしてしまうのがもったいないくらいです。

まゆ玉団子の作り方

  • 用意するもの
上新粉(米の粉)、ボール(こね鉢)、すりこぎ、蒸し器、必要に応じて食紅など
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1. 上新粉を混ぜる
上新粉(米の粉)をボールに入れ、耳たぶぐらいのかたさになるまでぬるま湯を加えながらまとめるようにこねる。
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2. 蒸す
全体がまとまったら適当な大きさに分け、蒸し器で20〜30分間蒸す。
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3. 蒸した物を押しつぶす
蒸しあがったら丈夫なこね鉢に入れ、すりこぎ等でよく押しつぶす。
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4. こねる・色を付ける
熱くてやわらかいうちによくこねる(かなり熱いのでヤケドに注意)。色をつけたい場合はここで食紅を加える。
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5. 団子の大きさにちぎる
団子の大きさに細かくちぎっていく。まゆ形(ひょうたんのようなかたち)と稲花形(しずくのようなかたち)の団子をつくる。
※地域のならわしによって形は異なります
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6. 団子を枝に刺す
柳や水木の枝にさして飾りつければ完成。

伝統的意義もさることながら、このまゆ玉飾りの行事のいいところはすべて手作りだということです。普段は滅多にやらないことなので、新鮮な気持ちでわいわい楽 しくやることができ、仲間との親睦を深めることにもつながるように思います。

みなさんのところでもちょっとしたイベントとしてやってみてはいかがでしょうか。