カイコの育て方

育て方の知識 Q&A

よくある質問をまとめてみました。

1. カイコ10〜30頭を飼うにはどんな方法がよいでしょうか?
30cm×20cm、深さ5cm位の容器を利用します。フタが透明のプラスチック製のものが良いと思います。箱の底に新聞紙などを敷いてその上にカイコをのせてクワを与えます。
1〜3令
はフタをしておくことで、クワのしおれ防止や有害なものからカイコを守ることができます。4令以降はフタをずらすか、フタをせず空気が通うようにしてやるといいでしょう。
2. クワの保存方法を知りたいのですが?
採ってきたクワは、そのままにしておくと乾いてしおれてしまいます。
ビニール袋に入れ、密封して冷蔵庫の野菜室などに入れて保存します。
3. いつクワを与えたらいいのでしょうか?
与えたクワが終わったり、残っていてもしおれてしまっていたら、新しいクワを与えます。
そして古くなったクワやカイコのフンは取り除いてやります。
4. カイコが食べるクワの量を教えてください。
1頭のカイコが食べるクワの量は、1〜3令0.5g4令2.5g5令18〜20g、合計で約21〜23gです。
5. 脱皮の時もクワを食べるのですか?
脱皮の時期が近づくとカイコはクワを食べなくなり、クワの上で動かなくなります。この時はクワを与える必要はありません。動かさずそのままにしてやりましょう。やがて脱皮が終わるとカイコは動きだし、クワを食べ始めます。脱皮の終わったカイコの頭部は脱皮する前よりも大きくなっています。
6. カイコの飼育でやってはいけないことは何ですか?
カイコは昆虫ですから、環境に左右されます。20度以下30度以上におくと病気になって死ぬこともあります。また殺虫剤、たばこの煙、直射日光はさけましょう。畑のクワに野菜などに使う殺虫剤が付着している場合があるので注意してください。
7. 飼っているカイコが数頭死んでしまいました。どうしたらよいでしょうか?
Q6に答えた事柄が原因のひとつと考えられます。
死んだカイコは捨て、与えてあるクワ、フンなども捨てます。そして新しいクワを与えてやります。
8. 5令になり1週間過ぎたころ、カイコの体がアメ色に透いてきました。
  どうしてですか?
マユを作る時期が近づいているのです。まゆを作れる環境に移してやります。
9. カイコはまゆをどこで作るのですか?
カイコはまゆを作る場所を探すとき、必ず立体的になっている所を選びます。それはクワの葉の中であったり、箱のスミであったりします。きれいなまゆを簡単に作る方法を紹介します。
<簡易まぶしの作り方>
図 簡易まぶしの写真
厚紙を図のように数枚切り、そして切り込みを入れた場所同士を組んで、井型にします。それを横にして置き、上からカイコを乗せてやると自ら穴の中に入りまゆを作ります。ある程度まゆを作り始めたら、まゆが横になるよう吊るしておきます。別の方法としてジャバラ状に折った厚紙の上にカイコを乗せてやると谷の部分にまゆをつくります。
10. まゆを作り始めました。このあとどうすればいいのですか?
カイコはまゆを作り始めてから3日位で完成させます。そしてその後3日位でマユの中でサナギになります。まゆを作り始めてから7〜8日で完全なサナギとなりますから「まゆかき」をします。まゆかきとは、作ったところから取ってやることです。回りにある細い糸を取り除いてやればきれいなまゆになります。
11. まゆ1粒の糸の長さと太さはどの位ですか?
長さ1,200〜1,500m、太さ2/100mm位です。
12. 卵を産ませてその卵をふ化させたいのですが?
サナギはやがてガになります。ガになるまでの日数の目安はまゆを作り始めてから約15日〜17日です。オスとメスのガが揃えば自然に交尾します。2〜3時間位交尾させた後、オスのガを離しメスのガを紙の上などにおいて産卵させます。およそ400〜500粒の卵を産みます。
産卵した卵は1〜2ヶ月間は25度で保護して、その後は外の気温に合わせて温度を下げてゆきます。冬は0度〜5度に保存しておき、春になってクワの葉が芽吹くころに、25度に卵をおくと約2週間でふ化します。
また、カイコの種類や保護する環境によっては産卵後10日余りでふ化する場合もあります。
13. カイコの種類はどのくらいあるのですか?
カイコの品種は約3,000種以上あると言われていますが、日本では「春嶺鐘月」「錦秋鐘和」という品種が主に飼育されています。